生活者主体の社会で飛躍する企業とは。

未来企業は共に夢を見る -コア・バリュー経営-【書評】

2013-04-08 | Sigeo | 1件 | カテゴリ マーケティング・経営

未来企業

ソーシャル時代へ突入したことによって、全員参加型の経営が求められるようになる。

なぜならば、ソーシャルメディアが普及することにより、企業主体から生活者主体の社会へと変化しているからです。その生活者主体の社会で飛躍することができる企業を、本書では未来企業としています。

未来企業の条件とは、「ともに夢を見ること」。働く人、顧客、そして社会とともに夢を見ることで、全員参加型の経営が実現できるというものです。

生活者主体の社会で飛躍できる企業とは

本書では、全員参加型の経営へと革新をすることで驚くべき成果をあげている5つの企業を例にあげています。その5つの企業とは、

  • 精神的ストレスが多くても笑顔で働いているベリル
  • アマゾンやGoogleが幅を利かせる中で優位性を築いているラックスペース ホスティング
  • 愛情、感情、人間味、自然体を取り入れているチップ・コンリー
  • 価値観を共有する仲間と力を合わせて確実に夢を実現するパタゴニア
  • 世界で最も顧客中心の企業ザッポス

です。これらの企業を未来企業と定義し、共感するひとが、この未来企業を実現するにあたり、具体的にどのようなアクションを起こすべきかを知ることができる展開になっています。

未来企業といえば、最近Wiredでも特集されていた内容です。

Wiredではおもにオフィスの環境から見た経営の考え方に触れているものでしたが、合わせて読むのもおもしろいかもしれません。

価値観を行動や意思決定の基盤とするコア・バリュー経営

近江商人の思想に「三方よし」という理念があります。「売り手よし、買い手よし、世間よし」と、売り手の都合だけでなく、買い手が心から満足するもの、そして商売を通じて世間の発展に貢献しなければならないという考え方です。

未来企業では、ここへさらに「社員よし」が加わってくる、という視点で考えることもできます。社員の視点から見ても、これまでは企業主体の考え方が主流であったけれども、いまでは世間の発展に貢献(社会貢献)することを主体に考える姿勢を持った人が増えているように思います。

社会貢献を主体に考える彼らが自己実現を追求するにあたって大事なことは、価値観を共有すること。すなわち会社が誰のための、何をするものなのかを共有していることが重要になってくると考えられます。

いったいどうすれば、社員と価値観を共有し、全員参加型の経営が実現できるのか。その疑問に対して、未来企業の具体的な事例や、今日から実践できる具体策までを教えてくれるのが本書。経営改革を目指す経営者のみならず、若いうちからリーダーシップを発揮すべく努力をしているかたにも一読いただきたい一冊です。

スポンサードリンク

この記事を読んだ方は以下の記事もご覧いただいています

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

“未来企業は共に夢を見る -コア・バリュー経営-【書評】”へのコメント1つ

  • 石塚しのぶ: 2013-04-09 09:42

    Sigeoさん

    著者の石塚です。
    非常によくまとめていただきありがとうございます。
    日本に2週間ほど出張してきたのですが、未来企業を目指し努力している多くの会社とお話しする機会がありました。
    大変うれしく思っています。
    今後もよろしくお願いします。


コメントする