日本初のMOOC「gacco」は、敷居の高い学問へ気軽に足を踏み込めるきっかけとなる
gacco(ガッコ)は、2012年に米国でスタートしたMOOC(ムーク/Massive Open Online Courses)の日本版。
MOOC(ムーク)とは、いわゆるオンライン上で誰もが無料で受講することができる大規模な講座のこと。MOOCの多くは、資金が潤沢な米国の大学によって運営されており、その殆どの講座で使われる言語が英語です。
英語の苦手な日本人にとって、この潮流は大きな教育格差を産んでしまうのではないか。
そんな問題を解決するために、昨年の2月にNTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアによってローンチされた、オンラインの動画ラーニングサービスです。このたび、ブログタイムズを通じてこのgaccoを紹介するイベントに参加したので、そこで感じたことを共有したいと思います。
敷居の高い学問を気軽に楽しく学べる「gacco」
誰しも、興味はあるけれども学問として学ぶには少し気が引ける、という分野があるのではないでしょうか。
本当はすごく興味があるのに、高額な授業料を払ってまで失敗はしたくないという手のものです。
gaccoのポイントは、とっつきにくくて敷居の高い学問の、間口を広げていること。だれでも無料でオンライン講座を受けることができ、同じ講座を受けているひとたちとのコミュニティに加わることもできる。そして、必要とあらば対面授業を受講する機会も得られる。いわば自分が本当にその分野の学問を極めていくべきか否かを、突っ込んで判断することができるようになっているのです。
たとえば物理プログラミングや統計学など、一見難しすぎてついていけなさそうなテーマであっても、ものすごくわかりやすく体系だてて学び、実践に移していけるようになっています。今まで触れたことのない分野であっても、のめり込んでしまう人が増えるのではないかと感じさせられます。
私も短い時間ながら、これから公開予定の講座を受けさせていただきましたが、こんな講座を、小さい頃から受けられたら、どんなに幸せだったろう、と思うほどでした。
米国でのMOOCの事例ではありますが、現にパキスタンの女子中学生が、当時10歳であるにもかかわらず、オンライン講座で人工知能について勉強し、11歳では物理講座を最高の成績で修了。そして現在は地球外生命学の学問にチャレンジしているそうです。
昨年2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイもパキスタンの出身。彼女はエデュケーション・ファーストを訴えていますが、同じ国の女子中学生が、オンライン講座で素晴らしい成績を上げている。まさにエデュケーション・ファーストをどんな環境であっても、インターネットに繋がりさえすれば実現してしまうという実例となっています。
統計学の講座を体験してみた
イベントの当日は、全部で3つの未公開講座を、少しずつだけ体験させてもらいました。
1つ目に受講したのは統計学。ベストセラー「統計学が最強の学問である」の著者である東大の西内 啓さんや統計数理研究所の土屋 隆裕さん、総務省の方々という、データ分析のブロたちによる講座が、4部構成で公開される予定です。
4部構成の内訳は、
- 統計データの活用
- 統計学の基礎
- データの見方
- 公的データの入手とコースのまとめ
という内容と流れになっており、それぞれ1週間、1日に10分ずつ受講することが可能です。
今回はそのなかでも3部目のデータの見方を少しだけ受講することになりましたが、まさに先月私が見て、ビジネスの可能性を見出そうとしていたデータをもとに解説されていました。このデータを見ながら、この問題の本質はどこにあるのか、そしてその解決策を導き出すためにどう考えればよいかといった、ビジネスの現場でも必須となる考え方を、具体的に教えてくれて、すぐさま仕事で生かせるような内容になっていました。
統計学の講座についてより詳しく知りたい方は、社会人のためのデータサイエンス入門のページをご覧ください。
その他にも当日は3Dプリンタとデジタルファブリケーションと物理法則プログラミング入門についても体験受講をしてみました。いずれもちょっと取っ付きづらいけれども、自分が興味を持っている分野。受けてみると、その分野で第一線を張っている有名人が、かなり易しく、そして楽しく授業を進めてくれるので、これは興味を持たざるを得ないな、という印象。私もこれらの学問習得にハマってしまいそうです。
講座はこれ以外にも、歴史・人文系やデザイン/アート、コンテンツ/メディアといった分野も準備されています。私は歴史を広範囲にわたって学ぶことが好きなので、3月開講予定の大航海時代の日本:日欧文化交流の歴史(ヒストリア)を受講登録しておきました。
先日、2015年1月15日に会員数が10万人を突破したというgacco。特定の学問に対して、本当は興味を持っているというひとはまだまだたくさんいるはず。gaccoについて、より詳しく知りたいかたは、http://gacco.org/へどうぞ。
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